「テンションを上げたいんですが、腕に負担ありますか?」
ガット張りの相談で、よくいただく質問のひとつです。
テンションを上げること自体が、すぐに悪いわけではありません。ただし、今の状態や上げ幅、プレースタイルによっては、打ったときの硬さや違和感が出やすくなることがあります。
特に、次のような場合は少し慎重に考えた方が安心です。
- 今のテンションから大きく上げたい
- 最近、肘や肩に違和感がある
- まだフォームや力の入れ方が安定していない
- 大会前に急に変えたい
- 周りの上手い人に合わせて上げたい
この記事では、テンションを上げると何が変わるのか、腕への負担が気になるときにどう考えるとよいのかを整理します。
テンションを上げると、何が変わるのか
ガットのテンションを上げると、一般的には打球感が硬めに感じやすくなります。同じガットでも、テンションが低めのときと高めのときでは、シャトルを打ったときの感覚が変わります。
テンションを上げたときに感じやすい変化は、たとえば次のようなものです。
- 打球感が硬く感じる
- シャトル離れが早く感じる
- コントロールしやすく感じることがある
- 打った感触がはっきりしやすい
- 芯を外したときの違和感が出やすい
- 楽に飛ばす感覚は減ることがある
ここで大事なのは、テンションを上げると「必ず良くなる」わけではないということです。
テンションを上げた方が打ちやすい人もいます。逆に、上げすぎると打ちにくくなる人もいます。その人のスイング、筋力、ラケット、ガット、プレー頻度、年齢、打ち方によって感じ方は変わります。
腕に負担が出やすいのは、どんなとき?
テンションを上げたからといって、必ず腕を痛めるわけではありません。ただ、次のような状態では、負担や違和感につながりやすいことがあります。
1. 一気に大きく上げるとき
今まで21ポンドで張っていた人が、いきなり26ポンドにする。今まで23ポンドだった人が、急に28ポンドにする——このように、上げ幅が大きい場合は、打った感覚が大きく変わります。
プレーヤー本人がその変化に慣れていないと、力んで打ったり、芯を外したときに違和感が出たりすることがあります。テンションを上げたい場合は、まず1〜2ポンド程度の小さな変化から試す方が安心です。
2. 芯を外すことが多いとき
テンションを上げると、打球感がはっきりする分、芯を外したときの感覚も分かりやすくなります。
ラケットの真ん中付近でしっかり打てているときは気持ちよく感じても、フレーム寄りや端で当たることが多い場合は、硬さや響きが気になることがあります。特に、成長途中のジュニアや、フォームが変わっている時期の選手は、テンションだけを上げて解決しようとしない方がよい場合もあります。
3. 最近、肩・肘・手首に違和感があるとき
すでに肩、肘、手首などに痛みや違和感がある場合は、テンションを上げる前に慎重に考えたいところです。
ガットテンションだけが原因とは限りません。練習量、打ち方、ラケットの重さ、グリップ、筋力、疲労なども関係します。ただ、違和感がある状態でテンションを上げると、打球時の硬さが気になりやすいことがあります。
痛みが続いている場合や、プレーに支障がある場合は、無理にテンションを上げるより、まず身体の状態を優先してください。
4. 大会前に急に変えるとき
大会前にテンションを上げたくなることはあります。「もっとコントロールしたい」「スマッシュを沈めたい」「上手い人が高いテンションだから自分も上げたい」——こう考えるのは自然です。
ただ、大会直前に大きく変えると、当日の感覚が合わないことがあります。テンションを上げるなら、大会までに少し打てる時間があるかどうかも大事です。大会前は、変化の大きさよりも、安心して打てるかどうかを優先した方がよい場合があります。
「上げる=上級者向け」ではありません
テンションが高いほど上手い、というわけではありません。たしかに、上級者には高めのテンションを好む人もいます。ただ、それはその人のスイングスピード、打点、筋力、技術、感覚に合っているからです。
中学生や高校生でも高めで合う人はいます。社会人でも低めの方が打ちやすい人はいます。大切なのは、数字の高さではなく、今の自分に合っているかどうかです。
「周りが26ポンドだから」「上手い人が28ポンドだから」「強くなりたいから上げたい」という理由だけで決めると、合わないことがあります。
テンションを上げたいときの考え方
テンションを上げたい場合は、次の順番で考えると整理しやすいです。
1. なぜ上げたいのかを確認する
まずは、テンションを上げたい理由を整理します。
- コントロールしやすくしたい
- 打球感をはっきりさせたい
- シャトルを沈めたい
- 飛びすぎる感じを抑えたい
- スマッシュを速くしたい
- 周りが上げているから気になった
理由によって、提案する方向が変わります。たとえば「飛びすぎるのを抑えたい」なら、テンションを少し上げる選択肢があります。でも「スマッシュを速くしたい」なら、テンションだけで解決する話ではありません。
2. 今のテンションから小さく試す
いきなり大きく上げるより、まずは小さく試す方が失敗しにくいです。
- 21ポンド → 22ポンド
- 23ポンド → 24ポンド
- 24ポンド → 25ポンド
1ポンドずつ、または1〜2ポンド程度で変化を見る方が分かりやすいです。小さく変えると、「自分にとって上げた方が良いのか」が判断しやすくなります。
3. ガットの種類も一緒に考える
テンションだけではなく、ガットの種類でも打球感は変わります。同じテンションでも、ガットが違うと、反発感、打球音、打ったときの硬さ、耐久性、球持ちの感覚が変わります。
「テンションを上げるしかない」と思っていても、実際にはガットの種類を変えた方が合う場合もあります。テンションだけでなく、ガットとの組み合わせで考える方が現実的です。
LINEで相談するときに分かると助かること
テンションを上げるか迷っている場合、LINEで次の内容を送っていただくと整理しやすいです。
- 今のテンション
- 今のガット名
- ラケット名
- 学年・年代
- 競技歴
- 練習頻度
- 今の悩み
- 上げたい理由
- 肩・肘・手首の違和感の有無
- 大会予定の有無
全部分からなくても大丈夫です。「今のガット名が分からない」「何ポンドか忘れた」「ラケット名が分からない」という場合でも、分かる範囲で相談できます。ラケットやガット面の写真を送っていただければ、状態を見ながら一緒に整理できます。
痛みがある場合は、無理に上げない
すでに痛みがある場合は、「テンションを上げたら解決するかも」と考えるより、まず身体の状態を優先してください。
ガット張りでできるのは、あくまで道具面からの調整です。痛みの原因を診断することはできません。痛みが続く場合、強い痛みがある場合、プレーに支障がある場合は、無理に続けず、必要に応じて専門家に相談してください。
ニコストでは、医療的な判断ではなく、ガット・テンション・ラケットの組み合わせとして、無理のない方向を一緒に整理します。
まとめ
テンションを上げること自体が悪いわけではありません。ただし、上げれば必ず良くなるわけでもありません。
腕への負担が気になる場合は、今のテンション、上げたい理由、上げ幅、プレースタイル、練習量、肩・肘・手首の状態、大会予定を整理して考えるのがおすすめです。
迷ったときは、いきなり大きく上げるより、少しずつ試す方が安心です。今のテンションやガット名が分からなくても、分かる範囲で送っていただければ、一緒に整理できます。









